# レシピのデータ保持の定義

組織にとって取り扱いの難しい問題がデータの外部への保存であれAPI のパフォーマンスであれ、もう悩む必要はありません。レシピごとにジョブデータを保存するかどうかを定義することで、コンプライアンスとパフォーマンスを制御できるようになります。

ジョブデータ保持 のレシピ設定を利用することで、以下のことが可能です。

  • 組織のデータ保護およびセキュリティの基準に準拠する
  • ファイアウォールの外側に機密データが保存されないよう徹底する
  • API レシピの遅延を低減する

このガイドでは、以下について説明します。


# 基本情報

# ジョブデータ保持設定の仕組み

ジョブデータ保持 のレシピ設定により、レシピのジョブデータを保存するかどうかを定義します。

この設定 (レシピの [Settings] > [Data retention] タブにある) には2つのオプションがあります。

  • Default retention policy : ワークスペースのデータ保持ポリシーが適用されます。たとえば、保持ポリシーが 30日 の場合、レシピのデータは30日間保持されます。

  • Do not store : レシピのデータは保存されません。このオプションを選択することで、以下を実現できます。

    • 機密情報または個人識別情報の保存に関連するリスクを管理
    • ログ作成をスキップすることで、API レシピの遅延を低減

    このオプションを選択する前に 、レシピにジョブのログが必要ないことを確認してください。詳細については、次のセクションを参照してください。

# データへの影響

[Do not store] を選択すると、Workato の特定の種類のデータまたは機能が変更されるか、全体的に利用できなくなることがあります。どのような変更があるのかをざっと見てみましょう。

  • ジョブレポートの概要 : 変更なし。ジョブ ID、履歴、期間などが、レシピの [Jobs] タブに表示されたままになります。

  • ジョブレポートの詳細 : ステップの入力と出力を確認できなくなります (レシピのトリガーの場合を含む)。

    保持を無効にしたジョブレポートの詳細ページ 保持を無効にしたジョブレポートの詳細ページ

    さらに、これはジョブが失敗する場合にもあてはまります。

    ジョブの失敗を示す保持を無効にしたジョブレポートの詳細ページ 保持を無効にしたジョブレポートの詳細ページに表示される失敗したジョブ

    失敗したジョブに関するエラー情報は、テストジョブの場合にのみ利用可能です。

  • カスタマイズされたジョブレポート : カスタマイズされたジョブレポートのデータは利用不可となります。これは、データ保持の無効化後に完了したジョブに適用されます。

    下の例を参照してください。データ保持の無効化後に完了したテスト以外のジョブが、強調表示されます。これらのジョブにはカスタムジョブレポートのデータが存在しません。

    カスタマイズされたジョブレポート (データ保持は無効) カスタマイズされたジョブレポート (データ保持は無効)

# テストジョブへの影響

テストジョブへの影響はありません。テストジョブ用にデータが保存されるので、作成中のレシピに対するテストおよびトラブルシューティングが可能となります。保持されたテストジョブデータには、ワークスペースのデータ保持ポリシーが適用されます。

たとえば、下図に示すジョブレポートを考察してみましょう。 4:58:23 pm のジョブで始まるこのレシピに対して、保持が無効化されました。囲みの部分が、保持の無効化後に完了したテストジョブです。

データが保持されているテストジョブ データが保持されているテストジョブ

そして、テストジョブの ジョブレポートの詳細 ページです。

テストジョブのジョブレポートの詳細ページ テストジョブのジョブレポートの詳細ページ

テストジョブが失敗する場合、その失敗に関する詳細 (エラーメッセージ、ID などを含む) が、そのジョブの ジョブレポートの詳細 ページに表示されます。

失敗したテストジョブのジョブレポートの詳細ページ 失敗したテストジョブのジョブレポートの詳細ページ

# 再実行ジョブへの影響

再実行に利用できるデータがないため、失敗したジョブを再実行することはできません。

ジョブの詳細ページで無効化された [Repeat this job] ボタン ジョブの詳細ページで無効化された [Repeat this job] ボタン

# ジョブ失敗のトラブルシューティング方法

データ保持が無効化されているとき、失敗したジョブのエラーに関する情報は テストジョブ でのみ利用可能です。レシピ実行時の問題を避けるために、以下を推奨します。

  • 開発時に各レシピステップを徹底的にテストする
  • 問題の原因を明らかにするために、レシピにエラーハンドリングを組み込む

さらに、データ保持が無効化されているときは、失敗したジョブを再実行することはできないので、ご注意ください。

# レシピの保持設定を変更すると既存のデータに影響があるか

いいえ。 ジョブデータ保持 設定を更新することで影響を受けるのは、設定更新 に作成されたレシピデータです。

たとえば、レシピで [Do not store] を選択する場合、レシピの既存データはワークスペースのデータ保持期間が経過するまで保持されます。設定更新後に新規作成されたデータは保存されません。

下図の囲み部分をご覧ください。 4:58:23 pm のジョブで始まるこのレシピに対して、保持が無効化されました。これよりも前に完了したジョブのデータは保持されます。

保持が無効化される前のジョブ (データは保持される) 保持が無効化される前のジョブ (データは保持される)


# レシピデータ保持の設定

1

Workato アカウントでレシピを開きます。

2

レシピが現在実行中の場合 は、先へ進む前に [Stop recipe] をクリックします。

3

レシピの詳細ページで、 [Settings] > [Data retention] の順にクリックします。

レシピレベルのデータ保持ポリシー レシピレベルのデータ保持ポリシー

4

[Jobs data retention] フィールドで、オプションを選択します。

  • Default retention policy : ワークスペースのデータ保持ポリシーに従って、レシピのデータが保持されます。たとえば、ワークスペースのデータ保持ポリシーが45日の場合、レシピのデータは45日間保持されます。

  • Do not store : 保存後に作成されたレシピデータは保存されません。

5

設定が完了したら [Save] をクリックします。


Last updated: 2024/2/13 16:59:53